- しんし
- I
しんし(助動)〔尊敬の助動詞「しゃんす」の命令形「しゃんせ」の転〕四段活用の動詞などに付いて, 軽い敬意を添えた命令の意を表す。
「さあ其金受け取りましよ, きり渡してやら〈しんし〉/浄瑠璃・難波丸金鶏」
→ しゃんすIIしんし【伸子・籡】反物を洗ったり染めたりするとき布をぴんと張らせて縮まないようにするための竹製の串。IIIしんし【信士】(1)信仰の厚い人。 信者。「波羅特士但(プロテスタント)教の~なれども/西国立志編(正直)」
(2)⇒ しんじ(信士)IVしんし【参差】※一※ (ト|タル)(1)長短の等しくないさま。 そろわないさま。「枝葉~として生繁り/読本・弓張月(拾遺)」
(2)入りまじるさま。 入り組むさま。「茅舎二三十, ~として向背相望む/日本風景論(重昂)」
(3)くいちがっているさま。 矛盾しているさま。※二※ (名)くいちがうこと。V「烟草の畦圃高低~し/日本風景論(重昂)」
しんし【唇歯】(1)くちびると歯。(2)くちびると歯のように, 互いに密接な利害関係にあること。VIしんし【宸旨】天子の意向。 天子のおおせ。 宸意。VIIしんし【心志】こころざし。 意志。VIII「自づから~を鼓舞して/花柳春話(純一郎)」
しんし【心思】こころ。 おもい。 考え。IX「~を此一事に置かざることなく/月世界旅行(勤)」
しんし【心誌】⇒ サイコグラフXしんし【慎子】(1)慎到(シントウ)の敬称。(2)慎到の著した書。 五編が現存。XIしんし【振子】ふりこ。XIIしんし【新史】新しく編まれた歴史。XIIIしんし【新詩】新しく作った詩。XIVしんし【浸漬】次第に浸透していくこと。XV「已に新事物の為に~せられて/三酔人経綸問答(兆民)」
しんし【深思】深く思うこと。 深い考え。XVIしんし【深旨】〔「じんし」とも〕深い意味。 深意。XVIIしんし【申子】(1)申不害(シンフガイ)の敬称。(2)申不害の著した書。 六編。 逸文のみが伝わる。XVIIIしんし【真摯】まじめでひたむきなこと。 事を一心に行うさま。「~な態度」「深く考へる人, ~なる人は/善の研究(幾多郎)」
﹛派生﹜~さ(名)XIXしんし【神使】神の使い。 特定の神と縁故があり, その神の意志を示すと考えられている動物。 八幡神の鳩, 稲荷の狐, 春日明神の鹿など。 つかわしめ。XXしんし【神祠】神のやしろ。 ほこら。XXIしんし【紳士】〔搢紳(シンシン)の士の意〕(1)上流社会の男性。「~貴顕」
(2)上品で教養があり礼儀正しい男。 ジェントルマン。(3)成人男性の敬称。XXII「~用靴下」
しんし【臣子】(1)主君や親に仕える身分の者。(2)臣下。XXIIIしんし【親子】おやこ。 直系一親等の自然的血縁関係のある実親子と, 法定血族である養親子とがある。XXIVしんし【親試】自分で実際にやってみること。XXV「~して始めてその然るを知る学問を/明六雑誌 10」
しんし【進士】〔「しんじ」とも〕(1)中国で, 科挙の科目の一。 また, その合格者。 宋以後では, 殿試に合格した者の特称。→ 科挙(2)律令制で, 式部省が課した官吏登用試験の一。 時務策(ジムサク)および文選(モンゼン)・爾雅(ジガ)について試験した。 しじ。(3)文章生(モンジヨウシヨウ)のこと。XXVIしんし【進止】〔「しんじ」とも〕(1)立ち居振る舞い。 挙動。「大乗菩薩法の威儀~を判ず/正法眼蔵」
(2)土地や人間を占有・支配すること。 管領。XXVII「田園ことごとく一家の~たり/平家 2」
しんし【震死】雷に打たれて死ぬこと。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.